
スポーンのフィギュアについて自分なりに偏見に満ちた感じで紹介します。
※すべて正しいという自信はありません。
まず、SPAWN(スポーン)というのはトッドマクファーレンというカナダ人漫画家が生み出したダークヒーローです。
トッドマクファーレン
トッドマクファーレンはSPAWNを生み出す前にスパイダーマンなどのマーベルコミックスのイラストなどを担当しており、あのヴェノムを生み出すなど様々な功績があります。
そのような経験を経て1992年にスポーンを世間に発表します。
2019年には「longest-running creator-owned superhero comic book series」としてギネス世界記録に認定されました。
「作者自身が"権利を所有しているスーパーヒーローコミックシリーズ"の中で、最も長く続いた」という意味だそうです。
マクファーレントイズ

スポーンを出版し、人気の中、トッドマクファーレンは1994年にMcFarlane Toys(マクファーレントイズ)を設立します。
もともとマクファーレンはバービー人形などで有名なマテル社とフィギュアを制作していたようですが、折り合いがうまくいかなかったようです。
90年代にはマクファーレントイズのスポーンシリーズは緻密な塗装や造形から日本でも大人気となりそのバリエーション(ヴァリアント)の存在などからプレミア価格で取引されるものも出てきました。
マクファーレントイズはスポーンに限らずホラー映画を題材とした”Movie Maniacs”シリーズやアメフト選手や野球選手をフィギュア化したり、恐らくマクファーレンがデザインしたドラゴンのフィギュアシリーズなど幅広いラインナップを展開していきます。
日本の漫画やゲームもフィギュア化されており、AKIRAやメタルギア、最近ではヒーローアカデミアなどもフィギュアとして出してます。
近年ではDCコミックスのキャラクターをフィギュア化したDCマルチバースシリーズも人気です。(2018年にDCのフィギュアを出し続けていたマテル社がDCのキャラクターをフィギュアを製造する権利を失ったため)
スポーンフィギュアシリーズ
1994年に販売開始となったスポーンシリーズはシリーズ1~シリーズ34まで続きます。
※シリーズ35も2008年に発表されたのですが、販売には至らず。(おそらく大人の事情です。)
スポーンシリーズはスポーンのコミックのキャラクターをフィギュア化していくのですがその進化のスピードが半端ではなかったのです。

この写真は左から”スポーンシリーズ12よりスポーンⅣ 1999 年ごろ発売”
真ん中が傑作と名高い”10th Anniversary Spawn 2002年ごろ発売"
右が”SPAWN WAVE3 SPAWN with Throne 2022年6月発売”となります。
こうしてみると全然体型が違いますし、それぞれの年代で重視しているものも違うように思います。
スポーンⅣは武器も多く、ほとんどが装備可能なところから遊べるフィギュア、10thはスタチューとアクションフィギュアの良いとこどりだが悪く言えばどっちつかず、Spawn with throneは造形よりもアクションに重視を置いている印象です。

皆さんはどのスポーンが好きでしょうか。
スポーンは個人的なイメージではシリーズ1~シリーズ14あたりまで造形と少しの関節を入れたウルトラアクションフィギュアを目指していたようなのですが、シリーズ15~シリーズ18はいろいろと迷走しスタチューになりかけ、
シリーズ19~シリーズ22はアクションフィギュアとスタチューの造形を両立した完璧なフィギュアとなりました。
その後はほぼスタチューとなりました。時にはマンダリンスポーン2のように動かせてスタチューのような造形のフィギュアも出していましたがほぼ動かないイメージです。
90年代後期スポーンフィギュア
私はシリーズ11からのスポーンが好きなのでそこから持っている範囲で下の写真で紹介していきます。

左から”シリーズ11 The Black Knight”,”シリーズ12 SpawnⅣ”,”シリーズ14 Mandarin Spawn”です。
どれも2000年に入る前に販売されたフィギュアですがどれも今でも通用する造形・塗装のクオリティです。
スポーンⅣに関しては鎖も金属製など今のマクファーレンのフィギュアを凌駕している点もあります。
いかにもアメリカって感じのデザインがたまりません。

この時期の可動といえばロール軸か、45度~90度曲がる関節かって感じです。

このグロ怖さ、ダークな感じが他のメーカーには真似できない点だったと思います。
2000年代初頭のスポーンフィギュア

2001年~2002年ごろに販売されたフィギュアが上の写真です。
前述の1990年後半のフィギュアとは全然違うことが写真を見ても一目瞭然ですね。
左が”シリーズ19 Samurai Spawn"
右が”シリーズ22 Skull Splitter"です。
もうどちらも芸術だと思います。
この時期のスポーンのフィギュアの特徴として毛が使われていることがあります。
また、こう見えて結構可動域も確保されています。関節は目立たないように極力隠されています。
まさにスタチューが持つ美しさとアクションフィギュアが持つポージングを楽しむ魅力を両立した非の打ちどころのないフィギュアとなりました。
おもちゃっぽさも感じられない、大人のためのフィギュアですね。

この鎧の造形、塗装の繊細さ、顔から垂れている毛は三つ編みがされているなど良い意味で意味が分かりません。
こんなフィギュアを今作ろうとしたらどれぐらいの売価になるのでしょうか。

一番すごいと思うのはこの足の造形ですね。
もう、工芸品です。

どの角度から見てもため息が漏れる出来です。
2003年~2005年

左が”10th Anniversary Spawn 2002年ごろ発売"
右が”シリーズ28 Mandarin Spawn 2005年ごろ発売"
10thアニバーサリースポーンの十字架ベースのクオリティもすごいですね。
マンダリンスポーン2も今にも動き出しそうな躍動感にあふれています。(その分足はほぼ動きません)

個の造形でガシガシ可動もしてしまうので傑作といわれるのも納得です。
まさにウルトラアクションフィギュアです。

何も言うことはありません。

写真だと分かりにくいかもしれませんがマンダリンスポーンとマンダリンスポーン2を比較すると塗装の出来や細かさが全然違います。
5~6年でこれだけ進化する会社があったでしょうか。
2021年 SPAWNシリーズ再開
2020年にはマクファーレンがキックスターター(クラウドファンディング)で今の技術でスポーンを作るということで支援を募集し大成功をおさめ、2021年にSPAWN WAVE1と銘打った新シリーズが開始となりました。
2022年7月現在 SPAWN WAVE3まで販売されていますが完全にアクションフィギュアとなったスポーンを楽しむことが出来ます。
私もWAVE3から集めていますが遊んでいてとても楽しい、昔欲しかったスポーンがそこにはありました。

しかしどうしてもシリーズ19~シリーズ22のクオリティを知っている身からすると満足できない部分があるのも確かです。
今のスポーンシリーズはおおよそ3,000円~購入できるかなりコスパの高いフィギュアであることはわかります。
でもどうしても造形・塗装の劣化は感じてしまいます。
昔よりも人件費・原材料費が上がっていたり、マーベルレジェンドシリーズなどの人気シリーズと対抗しなければいけないというのも十分わかるのですが。
多少高くとも昔のクオリティで動くフィギュアを求めることは強欲すぎるのでしょうか。

今年発売の”モータルコンバット コマンドースポーン”と2000年前半に販売された同価格対のSamurai Spawnを比較するとちょっと違うなーと思ってしまいます。
昔のダークな感じがかなりライトになってしまったような。
それでもこれからのマクファーレントイズ、スポーンシリーズにはかなり期待していますし、集めていこうと思っているので陰ながら応援しています。